株主優待を出す企業の中に、長期保有者向けに優待の金額が増えたりあるいは特別な優待品を追加するようなものがあります。または長期保有者のみに優待があり1回限りなど短期保有者には優待がないような例もあります。

その長期保有とはどうすればなれるのでしょうか?



ここでは一般論を述べますが、実際には企業によって判定基準が違うことがあるため厳密には企業毎の説明を聞く必要があります。一般論だということに注意してください。

長期保有かどうかの判定は多くの場合「株主番号」が同一かどうかで判定しています。株主番号は株主一人一人に割り当てられる番号ですが、一度売却して株主でなくなったあと再度購入して株主になると違う番号が割り振られます。

ただしこの売却して株主でなくなったという判定は売却した瞬間に行っているのではありません。誰が株主かを日々判定していないというのは前の記事に書いたとおり。権利日ごとに実質株主名簿を更新するのでこの日をまたぐかどうかで違いがあります。

つまり、売却しても次の権利日までに買い戻せば株主番号が変わらないと考えることができます。ただしこのケースでは同じ証券会社での売買に限ります。原則ではそうなります。が、実際に必ずすべての証券会社でそうなるかどうかは確認できないので理論上はそうなるという程度に考えてください。

逆に株主番号が変わってしまうのは、A証券会社で購入して権利日まで保有。その後売却。B証券で購入して次の権利日を迎える。この場合には株主番号は変わってしまいます。

注意点は権利日がいつかということです。例えば3月末日権利の優待銘柄があったとします。年1回しか優待がない場合にも中間期の9月末に株主名簿の更新をすることがあります。これは中間配当を行う場合に備えて配当を実際に出していない場合にも権利日が設定されているケースもあります。四半期毎、つまり年4回に名簿を更新する会社もあります。

つまり証券会社を変えずに持ち続けるのが長期保有になります。これは1株でも構いません。ただし、企業によっては株主番号が同じでも1単元以上保有し続けていなければならないとしているところもありますので、安全を考えると1単元以上を同じ証券会社で持ち続けるのがよいでしょう。

保有期間について;

年1回の権利日の場合は、1年以上は2回権利日を経過すれば。2年以上は3回経過すればいいことになります。年2回権利の場合には1年以上保有は4回権利日をまたぐと権利取得になります。

ちなみに、100株で3年以上と1,000株で3年以上で獲得するものが違う場合に100株で2年保有後に1,000株に買い増しをしても1,000株3年以上の優待を貰えることが多いようです。ここまで細かくルールを説明しているケースが少ないので直接質問するか、実際に経験しないとどうなっているかは確実なことはわかりません。

会社毎で違いがあるので上記原則を踏まえて購入してください。