ネット証券各社では単元未満株の購入、売却ができるところがあります。端株あるいはミニ株、S株等証券会社ごとに呼び方が違いますがすべて同じ、市場取引単位よりも小さな株数で売買可能な株式です。


例えば株価1,000円の株があったとして、取引単元が1,000株だと1単元売買するのに100万円必要になります。ここの株が欲しいけど、100万円も購入資金がないとかそれほどのリスクはかけられないと思った場合に、100株だけならとか10株だけならば買えればいいのに。100株なら10万円、10株なら1万円です。

単元未満の株数を指定して売買できるので比較的小口の資金でも多数の銘柄に分散投資できるなどメリットが大きい仕組み。

その売買には指し値注文しかできないとか売買手数料体系が通常とは違うなど色々な違いがありそれは取り扱い証券会社ごとに違いがあります。

株主優待制度にとって重大な問題は「名義」です。単元未満株の取り扱いがある証券会社でも誰の名義になるかに違いがあるので注意が必要です。

市場で株式を購入すると通常であればその名義は、その株式を購入した口座の持ち主のものになります。ですが単元未満株は扱いが特別です。単元未満であっても口座の持ち主の名義になる場合もありますが、証券会社名義になっているケースがあります。売買時の差額の利益や損失はもちろん所有者のものになりますし、配当金も証券会社から各株の所有者に分配されます。しかし、この場合には株主優待は受け取れませんし、株主総会にも参加できません。名義が自分のものになっていないからです。

単元未満株を市場で売買する仕組みは存在していないため、各証券会社が独自に設けた制度として運用しているためこのような違いがあります。各証券会社が必要に応じて単元毎にまとめて注文を市場に出して、株を所有し持ち分を分配しているだけです。なので通常は名義は各証券会社のものになります。注文株数が単元にまとまらなければ各証券会社が自腹で単元になるように株数を調整して注文を出します。ですからこの制度を運用している証券会社は余分なリスクを負担してくれています。

証券会社の中には名義の変更も行ってくれている場合があります。その場合には実質株主名簿に単元未満でも口座所有者個人の名前が載ります。昔は名義変更までしてくれるケースは少なかったのですが、今では増えています。が、念のため自分の使っている証券会社の制度がどうなっているかを確認しておく必要があります。

単元未満の株に対しても株主優待を出している企業もあります。多くは過去に株式の分割をしたり取引単位を変更したケースなどで既存株主に不利益を与えないために儲けられたものです。また「すべての株主」に対して一律の優待を出している場合もあります。こういうケースで端株優待を受取ために単元未満の株を活用することができます。

株主番号を変えないで売買を自由に行いたい場合などにもこの制度は活用できます。

ただし、最近はこの制度を利用した端株株主が増加して事務負担や優待負担が増えた企業が順次、端株優待を廃止したり「すべての株主」としていた基準を「すべての単元以上所有の株主」に改めたりしています。長期優遇の基準も「単元以上を複数年所有して株主番号が変わらない」などにする企業もあり、必ずしも有効に活用できなくなってきてはいます。

各証券会社の制度の他、優待企業の制度も確認しながら活用したい物です。

なお、端株は発行企業へ買い取り請求を出したり、買い増し依頼をすることができますが、通常の証券会社での売買手数料に比べて高額な手数料が必要になることがありますので株式分割などで端株が生じた場合に売却や買い増しをするときに単元未満株売買制度を利用するのはデメリットが少ないいいことだと思います。買い取り請求などはいつの基準になるのか請求時点でははっきりせず思わぬ株価で手続きが行われてしまいかねません。




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