株式投資の怖さを表すときによく「紙切れ同然になる」と言われる。が何十万円も掛けて買った株が紙切れほどの値打ちになって大損するなんてことがあるんでしょうか?

あるんです。私が実際に体験したこの"紙切れ"になった株についての思い出を書いていくことにします。

2015年09月21日10時01分34秒_001




まずこの写真の会社から。

サンライズ・テクノロジー
 
サンライズ・テクノロジー(2007年6月25日、ヘラクレス 4830)

会社が倒産してなくなったのではなく、上場基準にあわなくなって上場廃止になって取引できなくなってしまった株。それだけであれば資産価値は残っているはずなのだが、上場廃止になるほど会社の管理状態が悪化していてその後幽霊会社のようになり法的手続きも放棄された状態になり経営者との連絡も途絶えた状態になっているらしい。

IT会社でITバブルの頃に注目された会社だが、多角化で色々な会社を買収して最終的にはなんの会社かわからなくなってしまっていた。株主優待としては丸石自転車を買収して自転車を優待品として出したり、あるいは建材業に進出して外壁塗装を株主優待として行ったりとにかく変わった会社。

株式分割や大規模な増資を頻発して株式数が異常なほどにふくれあがり、株価が1円ということも多くなった。当時は取引単位の最低が1円なので1円株価が上昇すると2円になり投資資金が倍になる。しかも1円で買ったらそれ以下には絶対ならないので(評価額としては)絶対損しない株となった。そのためマネーゲームで頻繁に売買されて取引高だけは莫大なものとなり大証(ヘラクレス市場で公開していた)のシステムに影響が出るほどになっていた。

その後、株式併合するなど様々な変遷を経た末に適時開示規則違反という規則違反で上場廃止になってしまった。私は実際にはこの廃止になる見込みという頃に購入したので損失はほとんどない。

当時は電子化以前であったため、上場廃止後に郵便が来てどこそこで手続きして株券を引き出してくれということになった。保管振替機構では上場株式しか預かってくれないらしい。最寄りの信託銀行の店頭窓口で手続きして株券を受け取った。

それが前掲の写真。文字通り「紙切れ」となっている。

私も記憶が曖昧になっているので、経緯についてはネットで調べてもらった方が正確だと思います。

ライブドア

ライブドア(現:LDH、2006年4月14日、マザーズ 4753)

ライブドアは皆さんご存じ。ホリエモン騒動の会社。東京特捜部の強制捜査がきっかけとなり、上場廃止。

ここも株式分割による株価つり上げで結果的に数千円で購入できるぼろ株並みの株価となっていた。でも会社は毎年最高益を上げる拡大中。ということで時価総額は基本的には右肩上がりとなる時価総額至上主義経営を行っていて、ただ株価は右肩下がりを基本としながらも乱高下。

ここは話題のマンモス株主総会に出席する目的で10〜20単元位購入した。1単元だとあまりに安すぎるのでなんか申し訳なかった。が、たまたまその年の総会は日程が合わずに出席できなかった。そして2006年の騒動からの上場廃止。これもまあ数万円のことだからと売却はせずに放置。何回か手紙が来て経緯説明があったと思うし、会社自体も残っているので資産価値は残っているはず。だが、よくわからないまま連絡がなくなった。下記のWikipediaを見ると「残余財産分配金計算書が株主へと送付された。1株あたり残余財産分配金は1,134円。」とあり自分もかなりの金額を受け取る権利があったはずだが、受け取っていない。

2012年は2006年当時から引越をして住所が変わってしまったせいなのかもしれない。だとすればもったいないことをした。

上場廃止後ホリエモン氏らが取締役を退任して取締役の人数が足りなくなり臨時株主総会が開かれたが、これは参加しなかった理由は思い出せない。その時に株式の併合だか、単元の変更だかが行われて自分の持ち株数ではその後の株主総会の参加資格がなくなったはず。入場券だけ買って参加せずに終わったみたいなもの。

細かい経緯についてはインターネットなどを参照して欲しい。

日本航空

日本航空(2010年2月20日、東証1部 9205)会社更生手続き開始による

ここはがっつり数十万円の損失。元々エアラインを中心に航空機関連メーカーなどは飛行機好きということで株式を保有していた。ここも株主優待券で飛行機に乗るためやカレンダー目的で保有。ANAと違ってちゃんとフリートカレンダーを送ってくれていた。

それが経営効率の悪さを放置して経営破綻。国の管理下で会社更生手続きに入り上場廃止。廃止前に管理銘柄入りするため、売却して一部資金を回収する方法はあったのだが、会社自体が好きで保有していたこともあり最後まで株主として見守ることにした。

最終的に100%減資ということで強制的に株主の権利を失うことになった。再上場で以前よりも高株価となり高収益体質になったのは喜ばしいのだが、100%権利を放棄することとなった旧株主としてはやりきれない部分もある。しかも株価が高いので保有したくても買えないもどかしさもある。

ここは株式の電子化以後の破綻で、しかももしかしたら100%減資という形をとっている性もあるのかもしれないが、「紙切れ」にすらならず電子データの記録が消去されるというかたちとなった。

一番お金掛けたところなのに何も残らないのは悲しい。せめて鶴丸マーク入りの株券だけでも手元に残れば記念品として大事に保有できたのになあ。それが一番残念。

恐らく今はサンライズ・テクノロジーのような形であっても「紙切れ」にすらならないのかもしれない。



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