金庫株とは、自社の株式を会社が買い取った株のこと。株券を金庫の中にしまっておくというイメージから名づけられている。米国のtreasury stockの訳。

自社株買いで市場から自社の株式を買い上げる方法により実質的に資本金を減らしている形になります。会計上も資本の部で保有している自社株を減らして表示します。



かつては、日本の商法では自社株を買う行為はストックオプションや自社株消却など特定の目的がなければ実行できませんでした。とこrが2001年の商法改正により、金庫株が解禁され、企業は目的を問わずに、自社株を取得・保有できるようになりました。

ただし、株主総会で議決することや市場など公開の場で買い付けること、上限株数を設けることそして配当可能利益の範囲内に抑えることなどの規則を定めてその範囲ないであれば買い付けることができます。

金庫株の目的は色々あって、まず自社株買いを行う目的として株価が下落しているときにそれを下支えする。本来会社が株式を公開するのは事業を行う上での資金を広く一般から集めるためですので、逆に買い戻すのはおかしな話です。ですが、そうしてもいいほどに株価が低いと会社が考えているというメッセージにもなりますし、実際に市場で株が買われると株価の下支え効果もあります。

金庫株を持つと償却前であっても発行済み株式総数が減るため、PBRやROEなどの投資に用いる指標が改善する効果もあります。この結果、見かけ上の株価が割安になり株価下支えになります。

企業買収をするときに現金で支払うのではなく、金庫株を使えば余計な資金調達をすることなく迅速に買収を行うことができます。買収相手がこの株を即座に手放さなければ、安定株主の形成にも役立ちます。

またそのような方法に使うことで敵対的買収への対抗手段にもなります。金庫株を自社に味方する会社に売却することで自社方の議決権を増やすなどに使えます。

自社株式には議決権や剰余金の配当を受ける権利などありません。配当金の支払いが減ったり、既存株主の議決権割合が増える効果もあります。

手持ち現金などが潤沢にある場合に、自社株買いをすることは株主にとって多くのメリットがあることとがわかります。ですから自社株買いを発表するとその買い付け割合が多ければ多いほど株価上昇が期待できます。

なお自社株買いをしたため手元資金が減少しあらたな事業投資が滞ることとなっては本末転倒です。

 

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