第3章くらいまでは、投資家心理に関する話。投資をやっていれば誰もが経験する失敗経験を題材にとりあげてなぜそういう失敗をするのか、どこが間違っているのかなどわかりやすく面白い話。書名にもある「いつも出遅れる人」とはどういう人なのか=読者が共感できるつかみがしっかりできている。

だがその後がいけない。



じゃあそういう人が間違わないためにはどうすればいいのか、普段見ていない数字や動向などがあるのか、心理学的な何かがあるのかを期待するのだがそういうものは何もない。

いや1点だけ、逆指し値を使って、機械的に損切りをするあるいは機械的に利益確定する方法を提示しているが、テーマにあった話はそれだけ。

以下無駄話かというとそうでもないからやっかいだ。テーマの違う投資にまつわる話題がいくつか並べられていてそれぞれに役立つ内容。ただ章単位でのまとまりなので深みがない。せっかくいいテーマで役立つ内容で書かれているのでそこからの発展に結びついていかないので実践に結びつけられない。

例えば……

長期投資をするならば、ソフトバンクやファーストリテイリングのような何百倍にもなる会社を見極めて投資しろ。デイトレードは空き時間ではできない、市場が開いている間ずっと張り付いて集中力を持続させてこつこつ利益を積み上げられる人しか勝てない。だから普通の人はある程度の期間のスイングトレードが向いている。

でスイングトレード向きの株は?その売買タイミングは?と話が向けばいいのだけどそうは向かない。

いきなり会社のファンダメンタルズの話になる。よい企業は細かなタイミングに左右されないから会社の業績を見極めるのがよいと。では具体的にどの数字をどのように見ればいいのかが書かれていない。

最後の株名言集はまあこれまでとはあまり関係ないがまあそれ単体では役に立つかな。


(初版発行日2015/4/10)
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はじめに
 第1章 株式市場は「非日常」の世界である
 株式市場では社会的常識が通用しない
 危険なのは「たら」「れば」の心理
 買ったとたんに急落、売ったとたんに急騰
 マーケットは容赦なくあなたの財産に襲いかかる

 第2章 大半の投資家が犯す間違いとは
 下がった銘柄を「安い」、上がった銘柄を「高い」と思う
 含み損を「損」と考えず、含み益を「利益」と勘違い
 含み益の出た銘柄を買い増さず、損失の膨らんだ銘柄をナンピン買い

 第3章 株式市場に「何を求めるか」を明確に
 株式投資に向いている人、向いていない人
 株主優待はあくまでサービスにすぎない
 ボラティリティによるダメージの大きさを知っておく

 第4章 それでも飛び込む人の準備体操
 日本市場と米国市場はこんなにも違う
 株価が上がる理由、下がる理由をきちんと知る
 投資してはいけない銘柄、投資すべき銘柄はこうして選ぶ

 第5章 投資に最適な期間とは?
 投資期間の取り方で投資スタンスはまったく異なる
 長期トレードでの対処法
 デイトレードでの対処法

 第6章 上昇相場の投資戦略
 上昇相場は2、3段階の上げパターンを踏む
 上昇相場の初期なら―景気敏感株に乗れ
 上昇相場の中・後期なら―好業績&上方修正銘柄に乗れ

 第7章 下落相場の投資戦略
 最重要ポイントは含み損を抱えないこと
 ETFでマーケット全体を売る
 保有株の損失を避ける方法

 第8章 偉大な先人からの20の金言
 金言4 損失は取得原価の7~8%にとどめる
 金言8 過去の素晴らしいパフォーマンスは、同様の条件がそろわない限り繰り返さない
 金言9 大化け銘柄には共通する特徴がある
 金言13 驚くべき10月効果
 金言18 休むも相場
 金言20 他人の意見は絶対に聞かないこと

 おわりに



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