現在株式の配当金の受取方法は4通りある。どれがいいのだろうか?

配当金領収証方式

会社から配当金受領証が郵送されてくる。これをゆうちょ銀行等の窓口に持参して、配当金を受け取る方式。かつてはこれが標準だった。有効期間が決まっており、この期間内に受け取らないと、株主名簿管理人(信託銀行等)に郵送して送金手続きをするなどの方法が必要だった。さらに一定期間が経過すると配当金を受領する権利を失うことになる。



郵便が抜き取られたりした場合に配当金が盗まれる可能性がある。郵便局の窓口が開いている時間に行く必要があり勤め人などはしんどい。手続きを忘れると受け取る権利を失う。など弱点がある。地方などであれば郵便局の窓口の人が知り合いで、多額の配当金を受け取っていることなどが村じゅうに噂で広がり困ったなどの話を聞いたこともある。

今日ではあまり一般的ではないと思う。

個別銘柄指定方式

指定の銀行等預金口座で配当金をお受け取りいただく方式です。銘柄ごとに手続きが必要。継続的に所有する場合に、株主名簿管理人で手続きをする。

これは経験がないので具体的方法はわからない。もしかしたら手数料が必要かもしれない?いずれにしろ銘柄数分だけ手続きが必要で大変手間がかかる。が、この銘柄はこの銀行で受け取るなど分散が可能。

昔からそうしているという人以外はあまり使っていないのではないかと思う。

一括振込方式(登録配当金受領口座方式)

所有するすべての国内上場株式等の配当金を指定の一つの銀行口座などで受け取る。証券会社を通して株式会社証券保管振替機構(ほふり)へ通知する。証券会社ごとに別々に手続きするのではなく、その投資家の所有する全上場株式等が対象になる。A証券からX銀行の口座を指定して、その後B証券からY銀行の口座を指定すると、A証券で所有している株式についてもY銀行が振込先になる。1人の個人について1つの振込口座になる。配当金計算書と、振込先について知らせる通知が郵送されてくる。

普段使っている銀行口座に直接振り込んでくれるので、配当金などを生活費等に使う場合には便利。手続きは最初の1回だけでよい。管理の手間等も不要。だが複数の口座で分けて受け取ることができないことを不満に思う人もいる。

配当金について株式譲渡損失と相殺するためや、配当金控除をするために確定申告する場合には、配当金計算書1枚ごとで申告するか申告しないかを分けられるメリットがある。一方、申告する枚数分だけ入力するような手間も発生する。

株式数比例配分方式

各証券会社で保有している国内上場株式等(ETF、REITを含む)の数量に応じた配当金を各証券口座で受け取る。例えばK社の株式をA証券で100株、B証券で200株保有しているときに、K社が1株10円の配当金を支払った時、A証券に1000円、B証券に2000円の配当金が振り込まれる。それぞれについて源泉徴収税が計算されて徴収された後の金額が口座に入る。この場合には口座が一般口座か特別口座か源泉徴収ありかなしかに関わらず源泉徴収されます。

利点は証券口座に入金されるので、入金後直ちに投資資金にできます。また以前書いたように手続きすることで譲渡損失が出た場合に損益通算して確定申告することなく税金の還付を受けることができます。

※NISA口座に関する注意

「株式数比例配分方式」はNISA口座で保有している株式の配当金については源泉徴収されません。がそれ以外の方式では源泉徴収されます。NISA口座で保有している株式の配当金を非課税にするためには必ず「株式数比例配分方式」を選択する必要があります(PDF)。


□結論


1. NISA口座で株式を保有している場合

非課税のメリットを生かすため「株式数比例配分方式」を選択するべき。

2. 配当金を再投資したい。

「株式数比例配分方式」を選択するべき。

3. NISA口座を使っていない。配当金を再投資するかどうかなど用途は個別で決める。あるいは生活費・遊興費等で使う。

「一括振込方式」のほうがよい。「株式数比例配分方式」でも可だが証券口座からの出金は多くの場合、日数がかかったり一定金額以上に制限されていたりするので不便な点がある。

私は、配当金は株式所有にともなうインカムゲインを享受して生活を豊かにすることを投資の主目的としているので「一括振込方式」を選択している。NISA制度は利用した投資はしていない。