イオングループは多数上場しており2月末日決算がほとんど。またその大部分が株主優待制度を持っている。地域ごとのスーパーマーケット事業を担う企業は、主としてその地域で成長してきた既存企業を買収したものもありかなり細分化され、別別に上場していた。

が、近年になって傘下のスーパーマーケット事業を再編。地域ごとに1社に集約し営業地域を重複しないように店舗の譲渡なども実施している。過去何回かイオン系の企業の優待制度などをまとめ、比較してきたが、それも見直しが必要になっていた。



再編は以下のようなもの



北海道エリア:[7512]イオン北海道株式会社、[7465]マックスバリュ北海道株式会社→ [7512]イオン北海道株式会社
東北エリア:[2655]マックスバリュ東北株式会社、イオンリテール株式会社(東北カンパニー)→イオン東北株式会社
東海中部エリア:[8198]マックスバリュ東海株式会社、[8171]マックスバリュ中部株式会社→[8198]マックスバリュ東海株式会社
近畿エリア:株式会社ダイエー、株式会社光洋→光洋をダイエー子会社、MV西日本、マルナカ、山陽マルナカの一部店舗を譲り受ける
中四国エリア:[8287]マックスバリュ西日本株式会社、株式会社マルナカ、株式会社山陽マルナカ→[8287]マックスバリュ西日本株式会社
九州エリア:[2653]イオン九州株式会社、[3171]マックスバリュ九州株式会社、イオンストア九州株式会社→[2653]イオン九州株式会社

北海道、東北、東海中部、九州は単一会社に、中四国はMV西日本傘下に、近畿はダイエー傘下に、関東は先行してU.S.M.H.となっている。なおイオン東北、ダイエーは非上場。ということで、株主優待券を贈呈する企業数がかなり減ってしまった。

■株主優待買い物券

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マックスバリュ、イオン、まいばすけっと、ザ・ビッグ等や地域ごとのブランドのイオン系列のスーパーマーケットでの買い物に使える株主優待券で、1,000円の購入ごとに1枚使える100円券が所有株数に応じて貰えるのが基本。最大10%割引。イオンのオーナーズカードによるキャッシュバックやお客様感謝デーの5%オフなどとの併用も可能。以前は9社が提供していたが、現在は5社のみになった。また、株主優待券の代わりに地域特産品などを選択することも可能な場合がある。

優待利回りが最も高いのは、年2回優待のある[3222]ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスで、5.27%。ただしここの株主優待券は自社の店舗(マックスバリュ関東、カスミ、マルエツ)でしか使えないので他地域の人にとっては意味がない。マックスバリュと名前が付いていても他社の店舗では使えない。年2回なので2月末日分はこの半分。お米・カレー・ラーメン・梅干し・そうめんと交換可能。

ついで、[8287]マックスバリュ西日本、[7512]イオン北海道が優待利回り2.5%以上ありかなりよい。こちらの株主優待券は全国のイオン系列スーパーマーケットで使える。イオン北海道は500株以上でイオンラウンジの使える株主さまカードが貰える。マックスバリュ西日本は以前は兵庫県などの地域特産品(いかなご・海苔)と交換することができたが、新会社での交換商品は不明。

※イオンラウンジは新型コロナウイルス感染症の感染防止のため閉鎖されている。

[2653]イオン九州も優待利回り2.48%で低くはない。こちらは統合前のマックスバリュ九州が地域特産品と交換して貰えたが、現在はイオンギフトカードまたはネットポイント。100株では3,000円相当にギフトカード/ポイントなので優待利回りは、1.49%に下がってしまう。

[8198]マックスバリュ東海は、優待利回り1.86%あるので決して低いというほどではない。お米、お茶、お肉、お酒、しぐれ煮、食の備蓄など選択肢も多い。PER 14.53倍と比較的割安。

マックスバリュ東海を除いて高くても20万円程度、イオン北海道は10万円未満と買いやすい。またコロナ禍にあってスーパーマーケットは生活必需品であり外出自粛による家庭での食事の機会が増えたこともあって業績に悪影響がなく企業によっては業績を伸ばしていることもあり、比較的買い安心感がある。もちろん業績の悪かった企業もあるので精査は必要。

■株主優待買い物券以外の優待

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本体の[8267]イオンではイオンなどでの買い物時のキャッシュバック特典があるオーナーズカードを貰える。所有株数に応じ3%〜7%。半期で最大100万円までの買い物金額。なので最大7万円の株主優待。主たる買い物先がイオン系列である場合にはぜひ持っていたい。3年以上保有でイオンギフトカードが貰えるが、1,000株以上からなので300万円以上必要でハードルが高い。

オーナーズカードを所有していると、キャッシュバック以外にも特典がある。
・イオンシネマでの本人および同伴者1名が優待料金(大人1,000円)で鑑賞可能。ドリンクまたはポップコーン引換券1枚。ただし私は利用経験なし。
・イオンラウンジの利用(本人および同伴者3名まで)

※イオンラウンジは新型コロナウイルス感染症の感染防止のため閉鎖されている。

イオンラウンジはイオンのオーナーズカードの他、イオン北海道(500株以上)の株主さまカードでも利用可能。イオン九州も100株保有でイオンラウンジ使用可能となっているがカードが発行されるのかどうかは不明。

[8905]イオンモールはイオンギフトカードかカタログギフトを選択。[9787]イオンディライトはイオンギフトカード、カレー、コーヒー、自社サービス割引から選択可能のはずだが、2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響でイオンギフトカードのみとなっていた(PDF)。2021年度どうなるかは未定。

イオンギフトカードはイオン系列スーパーなどで使えるプリペイドカードで1円単位で使え、有効期限もないため重宝。イオンオーナーズカードのキャッシュバック対象でもある。

[4343]イオンファンタジーは、自社のゲームセンターなどで使える株主優待券とお米。100株保有の場合のお米1kgあたり必要資金は7万円強で割安というほどではない。

[9946]ミニストップは年2回。ソフトクリーム券が貰える。


■その他のイオン系上場会社



イオン系列では他に[8570]イオンフィナンシャルサービス(株価1,256円)、[3292]イオンリート投資法人(投資口価格:138,000円)が上場しているが、いずれも株主優待制度はない。イオンリートは1月・7月決算。

なお、イオンが筆頭株主など大株主になっていて子会社ではない地域スーパーマーケット上場企業があり、株主優待制度を持っているが、買い物券の相互利用などイオンとの乗り入れがないのでここでは取り上げていない。