先日確定申告を行った。個人の行う確定申告は年に1度、1月1日から12月31日の間の所得を自ら計算して、所得税額を確定させるもの。通常は翌年の2月中旬から3月中旬に住所地の税務署あてに提出する。

令和2年(西暦2020年)分は、令和3年2月15日から3月15日が申告期間。ただし、コロナウイルス感染症の感染予防の特例として4月15日までに延長されている。ただし、申告内容が還付申告のみの場合には新年最初の税務署の営業日から受付を開始している。

我々個人投資家の場合には、特定口座(源泉徴収あり)を選択した証券口座のみを保有している場合には申告をする必要がない。よっぽどのことがない限り、一般の個人投資家にはこの口座を選択することをオススメする。株式の利益がある場合には証券会社が利益が出るたびに所得税(と住民税)分を徴収してくれ、損失が出て利益が減ったら口座に還付してくれるので確定申告時に何もする必要がない。

さらに特定口座(源泉徴収あり)の場合には、配当金を証券口座で受け取るように選択できる。この場合、翌年初めにその年の売却損失があると配当金と相殺して過大に徴収されていた税金を口座へ還付してくれる。



ところで、これとは別に配当金の所得税を返してもらう方法がある。それが配当控除。

配当控除を受けるには
・一般口座
・特定口座(源泉徴収なし)
・特定口座(源泉徴収あり)かつ、証券口座で配当金を受け入れていない
・特定口座(源泉徴収あり)かつ、証券口座で配当金を受け入れていて譲渡益
のいずれかでなければならない。逆に言うと、
特定口座(源泉徴収あり)かつ、証券口座で配当金を受け入れていて譲渡損
の場合には配当金控除の申請ができない。

また、繰り越し損失と配当金の相殺を行う場合には申告分離課税になるので、配当控除は受けられない。

自分は、「特定口座(源泉徴収あり)かつ、証券口座で配当金を受け入れていない」場合で、今回確定申告して配当金控除を受け所得税の還付を受けたのでその経験を書き残そうと思う。
※あくまでも経験談であって、こうすれば還付を受けられるという節税アドバイスではない。

□やったこと


確定申告は e-tax を使っている。指定された項目を入力すれば細かい計算は自動的にやってくれるし、入力漏れがあったら教えてくれるから税金に関する知識はほとんど必要ない。

他の所得に関する項目を入力したあとで、配当所得に関する入力。最初に総合課税を選択。株式の譲渡損益の項目の入力で証券会社から送られてくる特定口座年間取引報告書の内容を入力する。

その後、配当控除を受けたい分の配当金計算書の内容を入力する。ここで重要なのは、配当金のうち申告するかしないかは1回の配当ごとに選べるということ。A社の配当金は申告するけど、B社の配当金は申告しないということができる。さらに、A社の中間配当金は申告するけど、期末配当金は申告しないという選択ができる。これによって、申告配当所得の金額をコントロールできる。


配当控除は、配当金にかかる所得税の一定割合を税額控除するというもの。細かな部分を省略して大まかに説明すると、申告所得の総額が1000万円以下の場合の国内株式配当金については、以下の割合となる。

所得税額から控除する金額:配当所得の金額×10%
住民税額から控除する金額:配当所得の金額×2.8%

例えば10万円の配当金があったとき以下の税額が源泉徴収されている。
所得税額:15,315円
住民税額:5000円

これを申告した場合に控除されるのは、
所得税額から控除する金額:10,000円
住民税額から控除する金額:2,800円

他に申告する所得がない場合には、これが源泉徴収済みの税金から還付されることになる。他の所得がある場合には、納付する予定の税金がその分減ることになる。

ここで個別に申告するかどうかを選べるので、配当所得の金額ーーひいては総合課税所得の金額を調整することが可能というのが大事。

所得税率の区分が変わらないようにするとか、配偶者控除や扶養控除の範囲内に所得を納めたい、住民税非課税にしたいなど所得額を調整したい理由は人それぞれ。配当金を特定口座で受け取っていると(譲渡損の場合に)この調整ができないので、総合課税で配当控除を受けようと思っているのであれば、受け取らない方がよい。確定申告する手間をかけたくないのであれば、自動的に相殺してくれる方法がよい。どちらがよいかは人によるだろう。


なお、1件づつWeb画面から入力するほかに、入力用のExcelファイルフォーマットをダウンロードしてそこに入力してアップロードする方法もある。私は受け取り配当金をExcelファイルで管理しているので、金額でソートして高額のものから申告したい金額になるまでをコピペしてアップロードしたので非常に楽だった。

自分の場合に、入力したのは「上場株式等の配当等」シートで以下の要領で埋めていった。
(1)受取年(和暦):02
(2)支払通知書の種類/支払通知書の種類 ;1 上場株式配当等の支払通知書
(2)支払通知書の種類/外貨建資産割合:1 記載なし
(2)支払通知書の種類/非株式割合:1 記載なし
(3)配当等の種類 :1 上場株式等に係る配当等(次の2~4に該当するものを除く。)
(4)種目:株式の配当
(5)銘柄等:配当金計算書に記載の銘柄名(三菱商事株式会社)等
(6)支払の取扱者の名称等:振り込みを受け取っている証券会社名や銀行名(三菱UFJ銀行)等
(7)収入金額 :配当金計算書に記載の配当金額(100,000)等
(8)源泉徴収税額(所得税及び復興特別所得税):配当金計算書に記載の所得税額(15,315)等
(9)配当割額控除額(住民税):配当金計算書に記載の住民税額(2,000)等
(10)通知外国税相当額:通常は入力不要
(11)通知所得税相当額:通常は入力不要
(12)負債の利子:通常は入力不要

申告期間前に記入して提出したおかげで、すでに還付金は口座に振り込まれている。住民税については少し遅れて還付されるが、昨年は6月に普通納付すべき住民税との相殺しますという通知があり、7月に相殺しきれなかった還付金が還付された。給与所得者などで特別徴収されている場合にどうなるのかはよくわからない。

※こういうことをしたという報告なので、これで方法がわからない場合に助言することはできません。不明の場合には利用している証券会社か税理士にご相談ください。