J-REITを配当金(分配金)収入の柱の一つとして保有数を増やしてきている。J-REITは、投資主から資金を集めて不動産を購入・保有して、その賃貸収入を主な収入としている。投資主から資金を集めるため、格付け機関からの格付け取得によって発行体の信用力を高めることは有効である。また、自己資金と同額近くの資金を金融機関等から借り入れたり、債券を発行して資金調達しており格付けの取得はここでも有効である。

また日本銀行が、J-REITの投資口を取得する金融緩和策を採用しており。その際の銘柄選択の基準の中に格付けが入っている。『リート(不動産投資信託)であって、「AA格」相当以上のもので、信用力 その他に問題のないもの』とされている。

そのため、我々がJ-REITを購入するときの銘柄選択の基準として、この格付けを参考にしたほうがよいのではないかと考え、自分は重視している。AA格以上の銘柄を選択するのもひとつの戦略ではあるが、日銀が発行済み投資口数の5%を買い入れの上限とする制限を採用しており、すでいくつかの銘柄ではこのリミットに達していると言われており、そうであれば今後そのらの銘柄での買い増しが考えにくく、AA格のひとつ下のランクまで将来買い入れ対象になるかもしれないと考えるのもひとつの戦略かもしれない。

自分は普段Yahoo!ファイナンスから不動産投信情報ポータルを閲覧して、J-REITの情報収集をしている。このポータルでは以下の4つの格付け機関の格付けの情報を表示している。それぞれについて、格付け符号が意味すること知っておくことが必要と思い、まとめた。

S&P【Standard & Poor’s(スタンダード・アンド・プアーズ)】
Moody's【Moody’s(ムーディーズ)】
R&I【格付投資情報センター】
JCR【日本格付研究所】






格付け機関S&PMoody'sR&IJCR
日銀買い入れ対象AAAAaaAAAAAA
日銀買い入れ対象AAAa1, Aa2, Aa3AAAA
投資適格AA1, A2, A3AA
投資適格BBBBaa1, Baa2, Baa3BBBBBB
投資不適格BBBa1, Ba2, Ba3BBBB
投資不適格BB1, B2, B3BB
投資不適格CCCCaa1, Caa2, Caa3CCCCCC
投資不適格CCCaCCCC
投資不適格DCSD、DC, LD, D

■格付け機関


□S&P


・格付け記号(PDF

カテゴリー定義
AAA債務者がその金融債務を履行する能力は極めて高い。S&Pの最上位の発行体格付け。
AA債務者がその金融債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。
A債務者がその金融債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい。
BBB債務者がその金融債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。
BB、B、CCC、CC「BB」、「B」、「CCC」、「CC」に格付けされた債務者は投機的要素が大きいとみなされる。この中で「BB」は投機的要素が最も小さく、「CC」は投機的要素が最も大きいことを示す。これらの債務者は、ある程度の質と債権者保護の要素を備えている場合もあるが、その効果は、不確実性の高さや事業環境悪化に対する脆弱さに打ち消されてしまう可能性がある。BB債務者は短期的にはより低い格付けの債務者ほど脆弱ではないが、高い不確実性や、事業環境、金融情勢、または経済状況の悪化に対する脆弱性を有しており、状況によってはその金融債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。
B債務者は現時点ではその金融債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた債務者よりも脆弱である。事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合には、債務を履行する能力や意思が損なわれやすい。
CCC債務者は現時点で脆弱であり、その金融債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、および経済状況に依存している。
CC債務者は現時点で非常に脆弱である。不履行はまだ発生していないものの、不履行となるまでの期間にかかわりなく、S&Pが不履行は事実上確実と予想する場合に「CC」の格付けが用いられる。
SD、D債務者の金融債務の少なくとも一部(長期か短期か、また格付けの有無を問わない。規制上の自己資本に分類される、あるいは契約条件に認められた形で不払いが生じているハイブリッド証券を除く)について不履行があるとS&Pが判断していることを示す。「D」は、債務者が全面的に債務不履行に陥り、すべて、または実質的にすべての債務の支払いを期日通り行わないとS&Pが判断する場合に付与される。「SD(Selective Default:選択的債務不履行)」は、債務者がある特定の債務または特定の種類の債務を選択して不履行としたものの、その他の債務については期日通りに支払いを継続するとS&Pが判断する場合に付与される。債務者が経営難に伴う債務再編を実施した場合も、債務者の格付けは「D」あるいは「SD」に引き下げられる。

□Moody's


・格付記号と定義(PDF
・REIT およびその他の不動産会社の格付手法(PDF

カテゴリ定義 
Aaa信用力が最も高いと判断され、信用リスクが最低水準にある債務に対する格付。Aaa
Aa信用力が高いと判断され、信用リスクが極めて低い債務に対する格付。Aa1, Aa2, Aa3
A中級の上位と判断され、信用リスクが低い債務に対する格付。A1, A2, A3
Baa中級と判断され、信用リスクが中程度であるがゆえ、一定の投機的な要素を含みうる債務に対する格付。Baa1, Baa2, Baa3
Ba投機的と判断され、相当の信用リスクがある債務に対する格付。Ba1, Ba2, Ba3
B投機的とみなされ、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付。B1, B2, B3
Caa投機的で安全性が低いとみなされ、信用リスクが極めて高い債務に対する格付。Caa1, Caa2, Caa3
Ca非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込める債務に対する格付。Ca
C最も格付が低く、通常、デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付。C

□R&I




カテゴリ定義
AAA信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。
AA信用力は極めて高く、優れた要素がある。
A信用力は高く、部分的に優れた要素がある。
BBB信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。
BB信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。
B信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。
CCC信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
CC発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。
D発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

□JCR


・格付け基準(PDF
・格付け符号(PDF


カテゴリ定義
AAA債務履行の確実性が最も高い。
AA債務履行の確実性は非常に高い。
A債務履行の確実性は高い。
BBB債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性がある。
BB債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない。
B債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある。
CCC現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある。
CC債務不履行に陥る危険性が高い。
C債務不履行に陥る危険性が極めて高い。
LD一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っているとJCRが判断している。
D実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っていると JCR が判断している。