伝説と呼ばれるほど有名で偉大な世界の投資家7人の経歴と投資ポリシーがわかる。ほとんどが歴史に名前を残す方々で、現役を引退していたり亡くなっている人もいるが現役でバリバリ投資を続けている方も。



残念ながらジェシー・リバモア氏の名前を事前には知らなかったが、他の面々は知っている人々ばかり。空売りなど投機的手法を駆使するジェシー・リバモア氏やヘッジファンドの運用をするソロス氏は異質だが、他の6名はほぼ同じような投資手法。バリュー投資と言えるだろうか。

皆、若い頃から投資に興味を持ち、6〜7歳頃から小さなビジネスを自分で考えて実行するものも多い。その商売で得たお金を元にし、あるいは親から借金して実際に市場で売買を行う物もいた。多くはお金持ちになりたいという強い意志を持っており、失敗しても不屈の精神で復活。それぞれがかなりの勉強家で、時間を惜しんで事実の収拾に努める。ある者は公開された財務諸表などで、ある者は実際に経営者と面接をするなどして銘柄分析に時間をかけた。共通して市場関係者などの噂話やインサイダー情報など不確かな情報に左右されないよう、自分の力で考えて自分が確信を持って割安と思える銘柄に集中投資している。

独自の投資理論を確立した後でも、ついつい感情に流されてルールを犯して大失敗をするものも多く、感情のコントロールの難しさを感じる。そして彼ら偉大な投資家でさえ、それができなくなるほど人間とは弱い者なんだと痛感させられる。

ウォール街の中心から離れたところに事務所を構え、バフェットにいたってはオマハに住まう。雑音に左右されずに強い意志で投資を行う姿は参考にしたい。

本書は単に経歴を追うだけでなく、ちゃんと投資手法を形成する上で重要な出来事を中心にすえ、色々な書物から時々に投資理論を語った言葉を引用するなど、投資をしようとする人に参考になるように書かれているのがよい。

新書一冊で7人の偉大な投資家の人生と投資手法に触れられる。とてもよい本を読んだ。

第1章 「ウォール街のグレートベア」ジェシー・リバモア
第2章 「イングランド銀行を潰した男」ジョージ・ソロス
第3章 「百聞は一見に如かず」ジム・ロジャース
第4章 「成長株集中投資の大家」フィリップ・フィッシャー
第5章 「伝説のファンドマネジャー」ピーター・リンチ
第6章 「オマハの賢人」ウォーレン・バフェット
第7章 「バフェットの師」ベンジャミン・グレアム