株主総会で議案への議決権行使をするにあたって、どういう方針で賛否を決めているかを議案別に記述する。


まず、「剰余金処分の件」。

□議案の内容


簡単に内容をまとめると、当期の利益からいくらを配当金にするかを決める。一般株主にとっては最も重要な内容。



もう少し、詳しく言うと当期利益のうち何円を配当金とするかと同時に、当期利益を内部留保する繰越利益剰余金や任意積立金や利益準備金などの勘定科目の振替を行う。我々にとっては直接関係ないが、配当金とすることができるかどうかなど法律上の扱いが異なる。

配当せずに勘定科目の振替だけの決議案のこともある。また、近年では条件を満たせば配当を株主総会ではなく取締役会の決議だけで決定することができるようになったので、会社によってはこの議案がないことも多くなった。

□対応方針


原則として賛成している。

赤字なのに無理に資本を取り崩して配当するような場合には反対。赤字が一時的な事情により発生しただけで、あれば安定配当は重要なので赤字配当でも賛成する。繰越利益剰余金の範囲内や任意積立金などが潤沢にあれば安定配当重視。あえて配当金を出すために資本剰余金を取り崩して配当するような方法には反対する。

本来であれば配当性向ないしDOE(株式資本配当率 )などを調べ、その会社の成長段階や配当方針に照らして妥当かどうか判断すべきなのだろうが、現在は一応配当性向を計算するだけで特に配当性向で賛否を決めてはいない。成長企業でないのに配当性向が低い場合など配当金が過小で不満がある場合にも特に反対はしていない。

□配当性向について補足(2023/5/20追記)


自分が投資先に求める配当性向は33%を基準としている。

会社が1年間に稼いだ利益のうち3分の1を株主に還元し、3分の1を投資、3分の1を借金の返済や手元資金の充実に当てるのが理想と考える。

が、それは会社の発展段階や方針によって変わるので一律ではない。設立間もなく成長段階にある企業では株主還元は10%程度がよいと思うし、成熟産業で大きな投資が必要なければ配当性向は70%位は欲しい。グローバル企業の日本での販売を担当するような企業であれば、研究開発部門は本社に依存すればよいし資金調達も親会社に依存してなんら問題ない。であれば配当性向100%であってもよい。

また配当政策が安定配当重視なのであれば一時的に利益が増加したため、配当性向が落ち込んだとしても増配を求めない。逆に一時的な要因で赤字決算であっても安定配当を続けて欲しい。継続的に利益が増加して増配しても安定して継続できるようになった段階で増配してくれればよい。

なお、私は無配銘柄への投資は行わない方針。現時点ではコロナ特例で無配銘柄への投資をしていますが、そろそろ原則に立ち返る時期かもしれない。