株主総会で議案への議決権行使をするにあたって、どういう方針で賛否を決めているかを議案別に記述する。


今回は「取締役の報酬額改定の件」または「監査役の報酬額改定の件」など役員報酬改定議案。

□議案の内容


経済情勢や企業のグローバル化、役員人数の変更などでこれまで規定されていた役員報酬が適当でなくなった場合にこの議案が提出される。議案は典型的には以下のような文言が含まれる。




当社の取締役の報酬額は、20XX年X月XX日開催の第XX回定時株主総会において、年額XXX百万円以内(うち社外取締役分XX百万円以内)と決議いただき今日にいたっております。…(中略)…取締役の報酬額を年額YYY百万円以内(うち社外取締役分YY百万円以内)に改定いたしたく存じます。
…(中略)…
なお、現在の取締役は(第●号議案が議案通りに可決した場合)ZZ名(うち社外取締役Z名)であります。

役員が受け取る報酬は、金銭で受け取る事前に決まっているこの規定による役員報酬。取締役が部長や事業部長など実際の業務に携わっている場合に受け取る従業員としての給与部分。さらにストックオプションや業績連動報酬、そして別途株主総会で決められる役員賞与がある。ここで規定しているのは低額の役員報酬。

上記記載のように、株主の決めることができるのは取締役全員分の報酬の上限額。社外取締役分を内数として決めることで常勤取締役の報酬も自ずと決まる。監査役についてもに全員分と社外監査役を内数で規定する。定款で定められている役員人数より少ない人数であれば一人当たりの金額はより多く出来る。ただし均等割ではなく、誰に幾らというのは取締役会または報酬委員会などで任意に決められる。社長が平取締役の何倍とか、常務が何割とかも決まっていない。


□対応方針


上場企業の取締役の報酬が幾らが適当なのかというのは、そういうポジションについたことがないので正直よくわからない。でも常勤であれば1人当たりで1千万円以下というのはあり得ないし、ソニーや日産自動車のようなグローバル企業でもなければ1億円以上というのは多すぎかなと思う。国内だけでやっているのであれば数千万円、それも従業員としての報酬込みでという感じかな。

なので人数×1千万円〜2千万円くらいが基準かなと思っている。億円以上の報酬は業績連動やストックオプションのような形で受け取ってもらったらいいかなと思っている。社外役員は数百万円くらいかなと。

これまでこの議案に反対したことはない。想定される範囲内の数倍以上であれば反対することも考えることもあるだろうが、これまでそういうのはなかったように思う。大事なのは株主の意向により上限金額が定まっていることだと思うので、もし想定外の金額であっても「それだけの重責を担い、十分な業績を上げてくれているのであれば、それだけ貰う価値があるのだろう」と考えて賛成するだろう。

たまに、既存の規定が年額1億円で新しい規定が月額1千万円などと増えたのか減ったのか計算してみないとわからない変な書き方をする場合がるが、あれはどういうつもりなんだろうか。何倍になったとか考えて欲しくないのだろうか。こそくな事は止めて、分かりやすい書き方をして欲しいなと思う。