昔話です。これもリーマンショックやホリエモンショック以前のことだったと思う。今はもうやっていない。
ミニ株がオンライン証券で気軽に購入できるようになってきた頃、自分独自の投資信託を作ったら手数料安いしいいんじゃないかと思うようになった。
■投資信託への不満からはじまった
投資信託のメリットは毎月1万円から買えるので低額で始められる。ドルコスト平均法で、毎月分散投資することで時間分散が可能。大勢の人のお金を集めて証券を購入しているので銘柄分散が可能。そしてプロが銘柄選定して売買している。
それに対してデメリットは、手数料がかかる。多くは購入時3%〜5%、さらに保有期間中年換算で資産額の0.5%〜1%程度。売買時に価格が不明、場合によっては決まるまで数日かかる。決済の日数が長い。
その他のそこまでに投資信託を保有してきて不満を感じることもあった。プロが銘柄選定しているとはいえ運用方針が決まっているので、市場急落時に保有銘柄を売却してキャッシュポジションを増やすとかの対応をしてくれない。ファンドが設定するベンチマークに対して勝ったとか負けたとか言うけど、一端売却して下がってから買い直してくれれば利益を得られたのに、市場平均が下がっているときには同じように資産を減らしている。もちとろんその場合には自分で投資信託を売却してまた下がった後で投資信託を買い直せばいいでしょうと言われるかもしれないけど、その投資判断で一番難しい売買タイミングをプロがやってくれないんだったらなんのためのプロだ、なんのための信託報酬だということなの。そして下がっても関係なく信託報酬だけは持っていく。
最初のデメリットについては現在では改善が進んでいて、ノーロードファンドやパッシブファンドで信託報酬を極限まで下げた物が出てきている。価格が不明だったり、受け渡しまで日数がかかることもETFなどで改善されてきた。そんな改善がまだ進んでいなかった時代のこと。
改善がされたととしても、売買タイミングをプロに代行してもらうことはできない。さらにもっと感じていた不満は投資信託という大きな袋に入ってしまったら、個別銘柄の株主であるという実感がなくなること。結局基準価格が上がったとか下がったとか数字だけの話。投資なんだから儲かれば嬉しいし、損したら悔しい。お金だけ、金額だけが大事なんでしょう。逆にそれ以外のことに意識が引っ張られたら'投資家'失格だよと言われるかもしれない。でも、株主優待族というのはどうしてもそれ以外の所に気持ちが行ってしまうのだ。
自分の好きなお店、商品、会社ががんばってくれて、そこのサービスを提供されてということが嬉しい。だから、その会社のことが知りたいし、会社のニュースが気になる。応援している会社が新しい商品を出して、それがヒットしてニュースになる、株価が上がる。それが嬉しい。だから毎年あるいは半年に一回会社から業績を知らせてくれる通知があるのが嬉しい。
優待を受け取っていく内にそんな気持ちになり、単なる数字だけの大きなバスケットの中に銘柄が隠れてしまっている投資信託に不満を感じるようになった。
■ミニ株投資
そのときにミニ株に出会い。これなら自分で小額ずつ多数の銘柄に分散投資して投資信託に似たことができるんではないだろうか?そう考えた。
以前に記事にしたように通常市場では単元ごとでしか株は買えない。だが、単元未満での株を購入する手段が普及してきた。ミニ株、S株など呼び方は様々。
株主優待侍:株入門:単元未満株
株価が2,000円で100株単元の株を買おうとすると20万円の資金が必要。でも、1株なら2,000円で買える。株価300円の1,000株単元なら30万円必要だが、1株だけなら300円で買える。
例えば毎月1万円の資金で500円前後の株を20銘柄買っていけば少ない資金で分散投資して時間分散もできる。毎月3万円の資金で1銘柄あたり2,000円前後で買えば15銘柄買える。毎月同じ銘柄を買わずに2ヶ月ごととか入れ替えてもいいし、
本物の投資信託に比べて1万円など金額を固定するのは難しくどうしても端数がでてしまう。さらに銘柄単位で見ると株数指定での購入しかできないのでドルコスト平均法の定義からは外れてしまう。分散する銘柄数も本物に比べれば少ない。当時は単元制度を導入していなかったりで1株の株価が高い銘柄も多いので選択できる銘柄に制限があるという欠点もあった。それでも小額から始められる。銘柄分散投資できる。時間分散できる。
ミニ株は指し値ができない欠点があるが、投資信託もそれは同じ。売買タイミングは自分で決めなければならないが、投資信託もそれを変わってはくれない。
最大のメリットは、ちゃんと名義を自分のものしてくれる証券会社を使えば半年毎などに会社から報告書が届くことで業績チェックを直接でき株主であることを実感できる。
おまけとして全株主向けなど端株主でももらえる優待があったりして嬉しさも倍増。
今なら例えば三菱ファンドとして
(8306)三菱UFJフィナンシャルグループ 746.1円
(7011)三菱重工業 529.3円
(8058)三菱商事 2,012.5円
(4188)三菱ケミカルホールディングス 745.7円
(4508)田辺三菱製薬 2,045円
(5711)三菱マテリアル 377円
(3636)三菱総合研究所 3,580円
(8802)三菱地所 2,889円
(2503)キリンホールディングス 1,606円
(9101)日本郵船 293円
(5020)JXホールディングス 513円
10銘柄で700円前後の株は3株、500円前後なら4株、300円前後なら7株。2,000円前後は1株。3,000円前後の株は3ヶ月のうち2ヶ月だけ購入する。とすれば毎月2万円前後で組成可能。
あるいは重電・家電・コンビニ・スーパー・百貨店・鉄道・航空・食品・飲料・商社・エネルギー・衣料・医薬など各分野を集めてもいいし、自分が普段利用する企業を集めてもいい。銘柄選択は面白いし、好不調が実感できる。
ということでその時には各業界で国際的に活躍する日本を代表するような企業を各銘柄2,000円前後で2ヶ月ごとに購入することで分散数を増やして投資を始めた。金額は覚えていないが1〜3万円くらいだったと思う。
■その後
ところが投資を始めて1年もしないうちに、利用していた証券会社の手数料体系が変わりミニ株の売買手数料が高くなってしまった。最低52円とか最低価格も設定された。すると300円の株を1株買うと手数料込みで352円になり比率で言うと20%近い手数料となってしまう。もちろん売却時にも同じだけかかってしまう。これでは完全に手数料負けしてしまい全然利益が上げられる見込みが立たない。もちろん1日の売買金額を合計してとかの制度もなし。
ということで一気に意欲がしぼんでしまった。
さらに毎年6月12月には大量の報告書が郵便で届く。それでなくても優待銘柄の書類が多いのに、読むのも大変だし捨てる紙の量も多い。
ということでリーマンショックで下がった時期に保有していた端株はほぼ処分した。
完全撤退済み。なので昔話。
なお、2016年1月4日現在の各社の手数料は以下。
マネックス証券のワン株の手数料は業界最低水準の約定代金の0.5%(最低手数料48円)(税別抜)です。
SBI証券ではS株が約定代金の0.5%(最低50円)(税別)。
松井証券の単元未満株は約定代金×0.6%、最低手数料なし(税別)。
カブドットコム証券ではプチ株が約定代金2万円まで100円、以降約定代金1万円増加まで毎に67円加算(税別)。

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