年が明け確定申告の時期がやってきました。え?確定申告は2月からだって?何を言っているんですか?還付申告のみの場合には1月頭からできるんですよ。申告が1日でも早ければそれだけ税金の還付を受けられるのです。先んずれば人を制す。1日でも早い申告をしましょう。
さてその確定申告をする前に、証券会社で口座を開設したときに最初に決断が必要になるのがどの口座にするのか?ということ。以下の3種類がある。
・特定口座(源泉徴収あり)(源泉徴収口座)
・特定口座(源泉徴収なし)(簡易申告口座)
・一般口座
このうち一般口座については税金の計算をすべて投資家自身が行わなければならない。いったいどういう人にメリットがあるのか正直わからない。一般という名称とは逆に、よほど特殊なケースでの利用が前提なのだろう。なので普通の投資家は特定口座を選ぶべきなのだが、じゃあ源泉徴収あり、なしのどちらを選べばいいのか?
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特定口座では口座内で行った取引の価格や履歴をすべて記録して利益の計算を行ってくれる。そして1年分をまとめた年間報告書を作成してくれる。もしかしたらすでに昨年分が届き始めているかもしれない。これは源泉徴収ありなしどちらでも同じこと。源泉徴収ありを選択した場合、納税まで証券会社で行ってくれる。なので投資家はなにもする必要がない。一方、源泉徴収なしを選ぶと確定申告が必要になる。
どう見ても源泉徴収ありのほうが簡単で楽チンなので源泉徴収ありを選ぶほういいようい見えるがこちらも欠点がある。
それは取引で利益が出た場合の源泉徴収は利益が確定したその時点で行われてしまうということ。頻繁に売買を繰り返す人にとってみれば、せっかく出た利益の一部が納税に回されてしまい、売買の資金が減少してしまい投資資金が減少してしまう欠点がある。
例えば、20万円で買った株が25万に上昇して売却した場合、利益は5万円。なお、ここでは手数料は考えない、また復興所得税もないものとする。源泉徴収ありの場合、その時点で20%に相当する1万円の所得税が徴収される。つまり手元には24万円しか残らない。同じ銘柄を少し値が下がったがまた上がるかもしれないと思って買おうと思っても24万円以下に下がってこないと買い直すことができないのだ。売買を繰り返して利益を積み上げるタイプの投資スタイルをとっている場合この資金の減少は痛手。こういう人は源泉徴収あり口座を嫌うことになる。
源泉徴収なしを選んだ場合には必ず確定申告を行う必要がある。これは証券会社から送られてくる報告書を使えばそれほど難しいことはないのだが、それより問題なのは確定申告することにより所得が増えてしまう場合。他にも住民税や健康保険なども増加する可能性がある。サラリーマンで会社に副収入があることを知られるのが嫌な場合。この住民税等の増加は特別徴収されていると会社に通知されるので把握されるリスクがある。申告分離課税なので所得税率は一定。
さらに主婦などで扶養控除を受けている場合に所得が増えると控除が使えなくなることもあり得る。源泉徴収ありならば、課税関係はすでに終了しているので確定申告しないでよいのでこれらの所得には合算されない。なので初心者であれば源泉徴収ありを選択したほうが無難。
源泉徴収ありでも確定申告することは可能なので、すべての報告書が揃ってからどちらが得か計算して確定申告すべきかどうか決定できる源泉徴収あり口座はその点でも有利。損失が大きく確定申告して損失繰越をしたければ、確定申告すればいい。
源泉徴収ありで利益が出た場合に徴収された所得税は、別の売買で損失が出た場合にはその日の値洗いが終わった後還付される。
ということで頻繁に売買を繰り返して利益を積み上げるスタイルの投資家で家族関係などで注意することがないのであれば源泉徴収なしでいけばいいが、そうでない場合や初心者は源泉徴収ありで始めたほうがいい。私も一時期源泉徴収なしにした時期があったが結局ありに戻してしかも確定申告している。まだ申告しないほうがいいという場合になっていないから。なお、証券口座ごとに申告するか申告しないかを選択可能。
なお、この選択は毎年最初の取引を行う前であればいつでも変更の手続きができる。年度は受け渡しベースで考えるので、前年12月末頃の取引した分も今年分になってしまう。また取引には株式の売買のほか、債権の償還、投資信託の売買満期、それに配当金の受け入れも含まれる。のでもしかしたらすでに今年の変更ができなくなっている人も多いかも。