ゼンショーグループのファミリーレストラン等を経営する会社で、3月末日・9月末日の年2回を権利日として持ち株数に応じてゼンショーグループの飲食店で使用できる株主優待の食事券とココス社の店だけで使える割引カードを贈呈していた。
これを業績の悪化を理由として一時休止することになった。既に権利日を通過した3月末日分は従来通り実施して次回2019年9月末日権利分以降を休止とする。あえて廃止とは言っていないので業績が回復した場合には再開するつもりはあるということなのだろう。
株価指標が極めて割高な水準にありながら株価はずっと2,300円付近で安定していて、典型的な株主優待により株価が維持されている株だとみていたので、一時的とは言え優待が貰えなくなるのは致命的なニュースになると考える。年2回の株主優待銘柄として継続保有してきたが、私の判断は売り。おそらく寄り付きからS安近辺にまで下がって張り付くのではないかと覚悟はしている。が、どうなるだろうか?予測がはずれて、損失が軽微であればありがたいのだけど。
なお修正した業績予想は下記で、下方修正したとは言え黒字。営業利益についてはそれほど大きな悪化ではない。下方修正の理由は「既存店売上高が前年比99.0%となった」「店舗作業効率化による生産性向上の遅れやアルバイト時給単価の上昇等による人件費率の上昇」「販促費の上昇」などをあげている。
2019年3月期(2018年4月1日-2019年3月31日) 注) △は赤字今回の予想 前回の予想売上高 (百万円) 57,438 57,552営業収益(百万円) 798 1,179経常利益(百万円) 911 1,260当期利益(百万円) 287 6851株利益 (円) 16.92 40.40
ココスの株主優待券は他のゼンショーグループの飲食店舗でも使用可能。逆にゼンショーホールディングス[7550]、ジョリーパスタ[9899]の株主優待券はココスの店舗でも使用可能。両者については発表がないので株主優待は継続されると思うが、その優待券が次回以降もココスで使えるかどうかは不明。恐らく維持はされるのではないかと思うので、優待を使って食事はできると思うのだけど、どうなるだろうか?利益が減少していて優待券を休止するのはやむを得ないが、それであればせめて割引カードだけでも継続すれば店舗を有料利用してもらえるので、マイナスは少なくなったのではないだろうかとも思う。素人考えだろうか。
また同時に自己株式100万株を上限に自社株買いを公表(PDF)。発行済み株式数の6.0%で、買取期間は2019年4月16日〜2020年4月15日の1年間。取得総額は20億円なので1株あたり2,000円以下で買うつもり。今から11%近く下落することを見込んで発表するとは人外か。発表だけでも23億円とか書くべきなんじゃなかろうか。
以前にゼンショーは日本レストランホールディングスという会社を設立してココスジャパンとジョリーパスタの持株をその会社に移管すると発表している。
※追記4/16:発表翌日の株価はS安買い気配のまま値がつかず、大引けで比例配分。前日比-500円の1,738円。出来高48,600株。昼頃見た時には売り30万株に買い7万位あった。最終的に売りは60万株余りなので50万株以上の売り残し。一時的に1,800円割れするくらいは下がるだろうけど、自社株買い期待があるのだから1,900円前後で終わるのではないかと推定していた。が、まったく甘い見通しだった。この勢いでは翌日も値が付くかどうか怪しくなってきた。
※追記4/17:発表2営業日後に値がつきました。1,643円。発表前に比べて595円(36.2%)安。株主優待によって割高な株価が維持されている銘柄だと思っていたが、これほどまでとは思っていなかった。二日連続S安にならなくてよかったと思うべきか。他にも何社か株価指標が割高で、株主優待のおかげでその水準が維持されているような銘柄を持っているが、それらが優待廃止したらと思うと空恐ろしい。
ヤフーファイナンス[9943]
株価:2,238円(4/15)
必要株数:100株
必要資金:223,800円
配当予測:14円(0.63%)
PER:55.45倍
PBR:1.57倍
権利確定月:3月末日・9月末日