日本市場の上場株式を購入する場合には1株単位ではなく複数株まとめた単元ごとでの売買になることは投資をする人の間では常識だと思う。単元株数は従来まちまちであったが、近年東証の呼びかけにより1単元=100株となるように各社で株式の併合・分割などを行い統一してきた。米国などでは1株単位で売買できるのでこのような制度がなぜできたのか、どうせ統一するならなぜ1株単位にしなかったのかは興味深いが、今回それはひとまず置いておく。

※以下、株価は2023/1/19終値

だが100株単位で取引するとなると投資金額が大きくなってしまうことがある。例えば[7203]トヨタ自動車は1株1,823円なので約18万円。ディズニーランドの[4661]オリエンタルランドは4,930円なので約50万円。[7974]任天堂は5,542円なので55万円必要である。投資初心者が、普段よく知っている著名な企業の株を購入するには勇気が要るし、分散投資しようとして例えば10社選ぶとスグに数百万円必要になってしまう。NISA枠であれば本年時点では120万円なので2〜3社で枠一杯になり分散投資と言うには寂しいことになる。



□単元未満株投資の魅力


そのため、資金力が大きくない投資初心者が分散投資するには投資信託やETFがオススメなのであった。が、個別株投資には投資信託にはない魅力がある。それについては以前記事を書いている。

株主優待侍「ミニ株で自分ファンド

単元未満株を低コストで取引できるのであれば、少額の投資資金でも個別株投資できるし、銘柄分散や時間分散可能だ。

株主優待でいえば単元未満でも優待のある銘柄が存在する。そではなくも、コツコツ毎月積み立てて購入していき何ヶ月後かに単元に達して優待を受け取る権利を得るような使い方ができる。

女性活用に積極的な会社だけ分散投資する。環境保護に積極的な企業、あるいは流行の投資信託のテーマを真似して5G関連、新エネルギーなど自分なりに企業を選別するのも面白い。高配当利回り株、各業界のナンバーワン企業だけを集めるなど選別して投資することで企業や経済の勉強をすることもできる。

□楽天証券かぶミニ


さて今回始まったかぶミニだが、自分が今まで単元未満株の取引に使っていたSBI証券のS株と比較しながら特徴を見ていきたい。なお楽天証券かぶミニは未だ実際に取引した経験がないので、ホームページ上の記述に従う。

1株から投資可能【楽天証券・SBI証券】

両社ともに、1株単位で売買可能。

配当金が受け取れる【楽天証券・SBI証券】

両社ともに、権利日での所有株数に応じて配当金が貰える。楽天証券は未体験だが、SBI証券では単元以上保有している場合と同様に配当金計算書や株主向け報告書が郵送されてきて、登録した配当金支払い方法で支払われる。自分は銀行振り込みにしているので銘柄の会社から銀行に振り込まれている(SBI証券の場合、楽天証券も同様と思われる)。

証券会社の仕組みによっては何株分保有しているかを証券会社で計算して、計算上の配当金を証券会社が支払う場合があるが、両社の場合にはきちんとほふりを通じて株主名簿に投資家名義で記載されていて支払われているということなのだろう。

・株主優待が受け取れる場合がある(株数条件を満たせば)【楽天証券・SBI証券】

単元未満株でも株主優待制度を実施している企業がある。例えば[9636]きんえいは100株単元だが75株から株主優待がある。実際にSBI証券の制度を利用して75株購入して株主優待を受け取った経験があり。1株以上から実施している企業もあり、そういう企業では1株でも株主優待を受け取ることが可能。例えば[8173]上新電機は9月末日の全株主向けで買い物券を贈呈している。

SBI証券ではほふりを通じて実質株主名簿に投資家名義で登録しているので単元未満で株主優待を実施している場合でも優待を受け取ることが可能。証券会社によっては証券会社内で一括して保有して実質株主名簿には証券会社名で登録している場合がある。楽天証券では登録名義について明記されているところが見あたらないのだが、FAQには受け取れると書かれているので大丈夫だろう。



A. かぶミニ(単元未満株取引)の場合も株数に応じて株主優待を受け取れますが、ほとんどの優待実施企業が100株(1単元)以上の保有に対し、株主優待を実施しています。銘柄により、株主優待に必要な株数など条件が異なりますので、各企業のホームページ等で内容をご確認ください。


※楽天証券に関しては説明文からの推定であり、実際に株主優待を受け取った経験があるわけではありません。

リアルタイム取引が可能楽天証券

楽天証券かぶミニが他になく特徴的なのが一部の銘柄だけであるがリアルタイム取引が可能なこと。他社は事前に出した注文が寄り付き値で約定する仕組み。場中にリアルタイムで取引できるところは恐らく他にない。しかも場中に複数回売買できるのでデイトレードも可能。ただ約定するのが気配値にスプレッドを加減したものになることと実際に市場で約定しているのでないことには注意が必要。

楽天証券で寄り付き取引できる銘柄数は473銘柄であるが、リアルタイム取引できる銘柄数は98銘柄と約5分の1である。

手数料

さて手数料であるが、

【SBI証券】買付手数料0円/売却手数料0.55%(最低55円)
【楽天証券】買付手数料0円+スプレッド0.22%/売却手数料11円+スプレッド0.22%

例としてSBI証券で単価5,000円の銘柄を1株購入する場合、購入代金以外に支払うのは0円。同じ株を同値5,000円で売却する場合には5,000円×0.55%=27.5円で最低手数料以下なので手数料は55円になり、購入代金5,000円を受け取り55円支払う。結果、往復で55円の支払いになる。なお、寄り付きの値段での売買になるので指し値はできない。注文時間によって前場の寄り付きになるか、後場の寄り付きになるか決まる。

一方同じ銘柄を楽天証券で売買する場合だが、寄り付き取引とリアルタイム取引で若干異なる。寄り付き取引では前場の寄り付き値で決まり、これが5,000円の場合。買い付け手数料は0円だが、スプレッド0.22%分の5,000円×0.22%=11円を購入代金以外に支払う。売却時も同値5,000円であれば売却手数料11円+スプレッド0.22%=11円の22円を支払う。結果、往復では33円の支払いになる。

楽天証券でリアルタイム取引の場合には買い付け時には板の売気配値がスプレッドの基準。売却時には板の買い気配値が基準になる。銘柄によっては買い気配値の売り気配値に大きな差があることがある。

□楽天証券かぶミニ vs SBI証券S株


手数料的には楽天証券のほうが割安。だが、取り扱い銘柄数は現時点ではSBI証券が圧倒的に多い。ただマイナーな銘柄を取引したいというのでなければ楽天証券のほうが有利ではないかと思う。