渡部 清二 (著)

会社四季報は日本の株式市場に上場している全ての会社について網羅していること、全て同じフォーマットで書かれている、さらに1936年の創刊以来連綿と刊行され年4回継続している。各企業の現状と今後の見通しが文章でも書かれている。お宝発掘の基本的なツール。これを25年間読破し続けている著者による、将来値上がりが期待できる銘柄探しのヒント。簡単に真似できる原則がお宝銘柄のタイプ別に記載されている。

探すべき銘柄のタイプとして中小型成長株・リバウンド狙いの業績回復・優良株・バリュー株・老舗株を上げる。特に前二者については10倍株(テンバガー)も可能のようだ。

タイプ別に簡単に見つける手順と実際の銘柄で例示している。2022年3月出版で比較的新しいので内容もすぐに応用できる。親子上場解消期待銘柄の中には実際にTOBされた銘柄もある。

以下に、ざっとメモ。



□中小型成長株

①中小型株
時価総額300億円以下
②成長性
増収率20%以上
③オーナー企業
第3位までにオーナーがいるか

PERで割安ではないと切り捨ていていると有料株を見落としてしまう。「PER = 株価 ÷ EPS」の視点を以下のように読み替える「株価 = PER × EPS」。

・割安・期待値

PEG(Price Earnings Growth)…増益率1%あたりのPER

今期営業増益率 = ( ( 今期営業利益 ÷ 前期営業利益 ) - 1 )× 100
来期営業増益率 = ( ( 来期営業利益 ÷ 今期営業利益 ) - 1 )× 100
PEG = PER ÷ 2期営業増益率平均

2022年新春号 東証一部平均PER 15.3倍 営業利益増益率 23.5% なのでPEG 0.9倍
2022年新春号 マザーズ平均PER 116.5倍 営業利益増益率 68.5% なのでPEG 1.7倍


PSR 株価売上高倍率 Price Sales Ratio
時価総額 ÷ 今期売上高

□業績回復

①減収増益
②赤字から黒字転換が見込める
③景気敏感株

□優良株

①オンリーワン企業
②グローバルニッチトップ
③世界トップ

□バリュー株

①PBR 0.7倍以下
②自己氏資本比率70%以上
③株価上昇期待のできるカタリスト(株価上昇のきっかけ)があること

□老舗株

①創業100年以上
②ロングセラーがある
③歴史を生き抜いた技術や事業を持っている

※コラムで株主優待銘柄について挙げている。お米銘柄が好みのようだが、ROE(Rice on Equity)という指標を作って比較しているという、自分が使っているP米R(Price : 米 Ratio)のようなものだろうか。