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ちょっと長いタイトルだけど、要約すると著者本人の実体験をもとにした配当金目的とした投資手法の紹介。

日本株個別株を購入して結果として高配当利回りを得るまでの銘柄選び・購入手法を指南している。私も過去何年もこのテーマでああでもない、こうでもないと試行錯誤するも良い投資手法を見つけられなかったが、「これだ!」と叫びたくなった。まさに探していた手法だ。



高配当利回りの銘柄をスクリーニングして購入するという単純なものではないが、この手法は再現性が高いと思う。まず、著者自身が選定した死ぬまでに購入したい17銘柄を紹介。その選定方法は日本の証券市場に上場する企業33業種分類のトップ企業や独自視点の優良企業を「配当」視点で評価する。各銘柄の値動きの特徴を監視していつ買えばいいのかまで指摘する。現時点の高配当利回り株だけなく、連続増配銘柄や累進配当を宣言している銘柄なども選定する。こういう企業は、今購入すれば現在は利回りがそれほど高くなくとも何年か後には投資元本に対して高い利回りになることが期待できる。景気循環株などであっても、業績変動や株価変動のある銘柄でも長期間監視して株価が下がった時や配当利回りが上がった時などに投資すると、超長期で見るとまた株価が戻る可能性が高い。良い銘柄ではあるが、今は買えないから監視対象に入れておき条件が整えば購入するという視点が自分にはなかった。現時点で選んだ銘柄を買いたい買いたいと気持ちがせいてしまう性格が悪かった。現時点ではなく将来配当金を沢山もらうにはという視点で判断しているのが面白い。

すべての個別銘柄について評価ポイントや選定理由を明確に文章化しているのが素晴らしい。評価するポイントが明確なので、読者自身が独自の視点で「著者はこう言っているが、自分の目的には合わないから、これは外す」とか判断が可能なのだ。さらに決算短信の読み方を示して、17銘柄+準ずる銘柄について全て、どう読むかも指南。この手の書籍では出版後年月がたつと情報が古くなり価値が低くなるのだが、繰り返し読み方を示しているので、読者が最新の決算短信を手に入れて読み解くことが可能になる。評価基準が明らかなので最新情報に照らして購入判断が可能だ。

さてタイトルの「半オートモードで」というのは上記で選定した銘柄を購入するときに投資タイミングを自身で判断するのではなく、新NISA口座を使って機械的に購入していこうという手法。これであれば難しいことは考えなくても半自動で実行できる。そしてそのために1株単位の単元未満株を低コストで購入できる必要がある。著者はSBIネオモバイル証券のS株(単元未満株)を使っていたが、2024/1/9以降はSBI証券に経営統合される。SBI証券のS株は売買手数料0円なので低コストでこの投資手法を実現できる。私も大昔に単元未満株を使って少額でポートフォリオを組もうとしたことがあり、挫折した経験があるので、それをシステム化して実践している著者には憧れるものがある。

株主優待侍「ミニ株で自分ファンド


基本的には購入すると決めた銘柄を1株ずつ購入、つづいて投資金額が均等になるように株数を調整買い。これを繰り返すだけというもの。

最後に著者自身のポートフォリオ内の銘柄をいちいち購入理由を書いて教えてくれているのは貴重。参考になるように連続増配銘柄のリストもあり、ここから選ぶのもいいだろう。とにかく具体的な銘柄名を挙げ、それらの明確な評価が書かれているのがよい。

銘柄選定については、その時々で状況の変化があり絶対的なものではないが、きちんとした評価基準があるし、具体的な銘柄・数字を使ってどういう評価をするのかたくさんの事例があるので、最新情報で再現するのも可能。

負けない株式投資の10ヶ条
1. 業界トップの会社を買え
2. 低PERの会社を買え
3. 低PBRの会社を買え
4. 高ROAの会社を買え
5. 高配当の会社を買え
6. 累進配当の会社を買え
7. 利益率の会社を買え
8. 投資先を分散して買え
9. 現金比率を維持して少しずつ買え
10. 誰もが絶望する暴落時に買え



で高配当株を探すと書いたが、ちょうどいいタイミングでこの本を読むことができてよかった。