現在の日本国の公的年金制度では国民年金・厚生年金を65歳から受給するのが基本である。これを60歳からに前倒して受給(繰上げ受給)することも可能である一方、最大75歳まで繰り下げることも可能。繰上げると年金額が減額され、繰り下げると増額される。日本人の平均寿命は男性で81.05歳、女性は87.09歳(厚生労働省資料:令和4年)で、ここまで生きた場合に受給できる金額の合計が最大になるのは何歳から受給した場合なのかというのがよく議論されている。だが、平均はあくまでも平均でしかなく、何歳まで生きるのかは個人個人で全く違い、あらかじめ予測することは難しい。例えばこの記事ではざっくり70歳から受給すると最大化可能としている。



この点に関する自分の考え方は未来予測はできない。できないことを考えても仕方ない。

ということは標準の65歳から受給?ではなく、できる限り繰り下げて受給する。つまり何もなければ75歳まで繰り下げるつもり。

この時に「最大受け取れる金額を受け取る」という考え方はあまり意味がないと考える。この考え方は、この世から去る時点までの収入の合計を最大化しようというものだが、そのことで誰が得をするのだろうか?残された遺族が受け取る遺産を最大化したいという気持ちからなのだろうか。子供思いの方はそうなのだろう。

自分の場合には「年金」=「年金保険」であるという考え方をしている。よって自分の収入によって生活が成り立っているのであれば受け取る必要がないもの。年金受給可能年齢になったときに個人の収入で生活するのが苦しいのであれば受給する。が、自分の収入で十分な生活ができるのであれば受給を先延ばしにする。これが「できる限り」ということ。もし75歳まで生きていれば潔く受け取る。それまでに困窮したり、切り詰めた生活が辛いと思うようになれば、その時点で受け取り始める。75歳になった時の状況次第だが、その年金額内で入居できる老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅等)に入居したいと考える。その際、入居一時金はできる限り少なくしたいから、年金額は最大化しておきたい。
※本題と関係ないが、入居一時金が高額になると施設選びに失敗したと思った時に、転居が難しくなるので。一時金は少なくしたい。

年金"保険"は、長生きリスクに備えるもの。長生きしてしまっても生活に困ることがないようなときに使いたいものだ。

そんな高齢まで働くつもり?と言われるかもしれないが、ここでいう収入は不労所得も含んでいる。というか労働は想定に入っていない。第一に株式投資から得られる配当金がこれに当たる。これを年240万円にするという目標は以前から何度かこのブログにも書いている。自分の場合には20万円あれば普通に生活するのになんの不自由もない。さらに現在は株主優待も活用しているおかげで、そうでない人よりも生活費が抑えられている部分がある。もしかしたら、健康上の理由などで株主優待を活用できなくなれば豊かな生活を送るために、もう少し必要になるかもしれない。また、投資環境が悪化して配当金収入が激減してしまうことがあるかもしれない。その場合には諦めて公的年金に頼ることになるだろう。

二つ目の収入として60歳・65歳・70歳に受給開始となる民間の年金保険を何本か契約している。これも収入と考えて合計で生活費に充てる。保険金の受け取りを最大5年繰り延べることが可能な保険もあり、こちらも受け取りを先延ばしすれば保険金額は増額される。受け取り開始時に十分な配当金収入があれば保険金の受け取りを先延ばししてもいいし、受け取って旅行などの贅沢資金としてもいいだろう。

と、ここまでは受給開始可能年齢での自力での収入が生活費を上回る前提なのだが、そうならない可能性もゼロとは言えない。その場合には少し悩むところ。自力収入+公的年金で生涯の生活を賄うことになるのだが、公的年金の額をここで固定することになる。一方、自力収入は今後増加することが期待できないばかりでなく、自力収入に労働や投資の売買益などが入っている場合には確実に減少していく。となると、年金受給額が少なくともその時点での生活費を上回っていてくれないと、将来の生活が困ることになる。資産は残っているから、将来それを切り崩すことになる。万が一、年金受給額がその時点での生活費を下回るようなことがあれば年金受給額を増やすために受給を先送りにして労働などを増やして自力収入を増やす必要が発生する。あまり考えたくないことだが、そのような事態にはならない想定。

また現時点では考えられないが、家族が増えて配当金収入では満足な生活ができなくなるかも知れない。その場合には、その時点から受給開始することになるだろう。

受給額の合計が結果として繰上げた場合や標準通りで支給した場合よりも少なくなってしまうかも知れない。もしかしたら平均よりも早くこの世を去り、払い込んだ保険料よりも少ない額しか受け取れないかも知れない。すでに人生が終わった後で、そのような計算をしても仕方がない。生きている時に満足な生活ができ、将来のお金の心配をせずに暮らしていけることが自分には大事なことだ。そのような心配から安心できる保険として、なるべく先延ばしにする。75歳まで正常な判断能力を維持しているかどうか、そちらのほうが心配だ。


繰上げ・繰り下げは1ヶ月単位で指定可能。

繰上げた場合の減額率は1ヶ月あたり0.4%で、60歳まで繰上げた場合の最大は12ヶ月×5年=60ヶ月分で24.0%になる。
※昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は、0.5%(最大30%)となる。

受給開始年齢減額率
60歳0ヶ月24.0%
61歳0ヶ月19.2%
62歳0ヶ月14.4%
63歳0ヶ月9.6%
64歳0ヶ月4.8%



一方、繰り下げた場合の増額率は1ヶ月あたり0.7%で、75歳まで繰り下げた場合の最大は12ヶ月×10年=120ヶ月分で84.0%になる。
※昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)まで。

受給開始年齢増額率
66歳0ヶ月8.4%
67歳0ヶ月16.8%
68歳0ヶ月25.2%
69歳0ヶ月33.6%
70歳0ヶ月42.0%
71歳0ヶ月50.4%
72歳0ヶ月58.8%
73歳0ヶ月67.2%
74歳0ヶ月75.6%
75歳0ヶ月84.0%



公的年金の素晴らしいところはインフレにより基準額が変動するということ。上記の増額とは別にインフレリスクへの対応も可能となる。理論上はデフレになれば減額もあるのだが、過去は政治判断により減額されず将来インフレ時の増額幅を調整するという対応になったと記憶している。