過去何回かイオン系列上場企業のうち株主優待制度のある銘柄を比較した記事を書いている。前回から若干の制度変更があったようなので、最新の情報にアップデートする。

イオングループは2月末日決算がほとんどで、上場している企業のうち株主優待制度を持っている企業も多い。地域ごとのスーパーマーケット事業を担う企業は、主としてその地域で成長してきた既存企業を買収したものもありかなり細分化され、個別に上場していた。

が、近年になって傘下のスーパーマーケット事業を再編。地域ごとに1社に集約し営業地域を重複しないように店舗の譲渡なども実施している。さらに広域合併することで上場企業数は年年減少しているし、非上場の企業に統合されている場合もある。過去の比較記事は以下。


再編は以下。

株主優待侍「イオングループ再編



■株主優待買い物券


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マックスバリュ系列の株主優待で真っ先に思いつくのは株主優待買い物券。だが、すべてのイオン系企業が株主優待券を出しているわけではない。

マックスバリュ、イオン、まいばすけっと、ザ・ビッグ等や地域ごとのブランドのイオン系列のスーパーマーケットでの買い物に使える株主優待券で、1,000円の購入ごとに1枚使える100円券が所有株数に応じて貰えるのが基本。最大10%割引。イオンのオーナーズカードによるキャッシュバックやお客様感謝デーの5%オフなどとの併用も可能。以前は9社が提供していたが、現在は5社のみになった。また、株主優待券の代わりに地域特産品などを選択することも可能な場合がある。

優待利回りが最も高いのは、年2回優待のある[3222]ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスで、8.06%。ただしここの株主優待券は自社の店舗(マックスバリュ関東、カスミ、マルエツ)でしか使えないので他地域の人にとっては意味がない。マックスバリュと名前が付いている他社の店舗では使えない。年2回なので2月末日分はこの半分。お米・カレー・ラーメン・梅干し・そうめんと交換可能。

またマックスバリュ西日本は[8278]フジの傘下にあり、フジの株主優待券が使える。優待利回りは、2.86%。これもMV西日本直営店舗のみの使用で他地域のイオンなどでは使用できない(PDF)。フジの株主優待では株主優待券以外にもネットショップのポイントや地域特産品と交換可能。

全国で使える株主優待券としては[2653]イオン九州は今回から年2回になり、年間の優待利回りが3.55%に上昇した。統合前のマックスバリュ九州が地域特産品と交換して貰え、統合後はイオンギフトカードまたはネットポイントを選択可能だったのだが、年2回に増える代わりに株主優待券以外は選択できなくなってしまった。2月権利ではイオンラウンジを使える。[7512]イオン北海道は優待利回り2.98%でこちらも高い。イオン北海道は500株以上でイオンラウンジを使える。

イオンラウンジの使用にはスマホアプリでの登録が必要。



[8198]マックスバリュ東海は、全国で使える株主優待券で優待利回り1.55%。お米、お茶、お肉、お酒、しぐれ煮、食の備蓄など選択肢も多い。

全国で使える株主優待券をもらえる3社をそれぞれ1単元購入すると689,000円必要で、17,500円分の優待券がもらえる。優待利回り2.54%。年間18万円程度の買い物だと、ひと月あたり1.5万円でイオンだけで買い物をしていて自炊もしているようだと一人暮らしでも少し足りないだろう。

フジは約20万円、USMHやイオン北海道は10万円以下と買いやすい。

■株主優待買い物券以外の優待

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本体の[8267]イオンではイオンなどでの買い物時のキャッシュバック特典があるオーナーズカードを貰える。所有株数に応じ3%〜7%。半期で最大100万円までの買い物金額。なので最大7万円の株主優待。主たる買い物先がイオン系列である場合にはぜひ持っていたい。上記買い物券と併用も可能なので割引率はさらにアップする。3年以上保有でイオンギフトカードが貰えるが、1,000株以上からなので300万円以上必要でハードルが高い。

オーナーズカードを所有していると、キャッシュバック以外にも特典がある。
・イオンシネマでの本人および同伴者1名が優待料金(大人1,000円、高校生800円)で鑑賞可能。※ドリンクまたはポップコーン引換券は廃止となってしまった。
・イオンラウンジの利用(本人および同伴者3名まで)


イオンラウンジはイオンのオーナーズカードの他、イオン北海道(500株以上)でも利用可能。イオン九州も100株保有でイオンラウンジ使用可能となっている。イオンディライトは100株以上、[8570]イオンフィナンシャルサービス、イオンモール、ミニストップも200株以上でイオンラウンジの使用可能と明記されている。


[8905]イオンモール、[9787]イオンディライトはイオンギフトカードがもらえる。

イオンギフトカードはイオン系列スーパーなどで使えるプリペイドカードで1円単位で使え、有効期限もないため重宝。イオンオーナーズカードのキャッシュバック対象でもある。

[4343]イオンファンタジーは、自社のゲームセンターなどで使える株主優待券とお米。100株保有の場合のお米1kgあたり必要資金は7万円強で割安というほどではない。

[9946]ミニストップは年2回。ソフトクリーム券が貰える。優待利回りは通年購入できる270円のソフトクリームバニラで計算しているが、ミニストップの商品ページでは現時点で販売している「プレミアムソフト‐いちご×チョコ×バニラ‐」464.40円(税込)でも利用可能となっている。


これまで気がついていなかったのだが、ドラッグストアの[3141]ウエルシアホールディングスもイオングループでかつ株主優待制度がある。持ち株数に応じて株主優待券(お買物券)または新米(新潟産 こしひかり)、カタログギフト、Vポイント、WAON POINTが選択可能。Vポイントは旧Tポイント。株主優待券はイオン系列のスーパーマーケット等で使えるものではなくウエルシアグループの各店舗でのみ使えるものらしい。なお、ウエルシアHDは[3391]ツルハホールディングスとの経営統合が予定されており、将来の株主優待制度は不透明。


■その他のイオン系上場会社



イオン系列では他に[8570]イオンフィナンシャルサービス、[3292]イオンリート投資法人が上場しているが、いずれも株主優待制度はない。イオンリートは1月・7月決算。

なお、イオンが筆頭株主など大株主になっていて子会社ではない地域スーパーマーケット上場企業があり、株主優待制度を持っているが、買い物券の相互利用などイオンとの乗り入れがないのでここでは取り上げていない。