両者はともにTSUBASAアライアンスに参加する地方銀行で、2021年に両行だけでも群馬・第四北越アライアンスを設立するなど親密さを増していた。合併比率は未定で2026年3月の最終契約締結の前に決定するのではないかと思われる。両者共に株主優待制度があり、その内容がどうなるのか気になるところ。私は群馬銀行を保有中だが、第四北越FGは未所有。
第四北越FGが存続会社となり、群馬銀行と株式交換方式で合併。群馬銀行の株主には第四北越FGの株式が交付される。そして第四北越FGが社名変更し、新FGを持ち株会社として第四北越銀行と群馬銀行を傘下に保有する形となる。両行が合併してひとつの銀行になるところまでは今回の合意に含まれていない。
群馬銀行は群馬県前橋市に本社を置く地方銀行で、明治期に設立された第三十九国立銀行が始まり。県内の預金シェアは38%でナンバーワン。一方の第四北越フィナンシャルグループは第四北越銀行を傘下に持つ金融持ち株会社。第四北越銀行は新潟県新潟市に本社を置く地方銀行で、新潟県新潟市に拠点を置く第四銀行と同県長岡市に拠点を置く北越銀行が合併し、2021年1月1日に発足した。第四銀行は第四国立銀行、北越は第六十九国立銀行が祖。県内の預金シェアは43%でナンバーワン。
両行を比較すると総資産、預金残高、貸出金残高、預かり資産残高はほぼ同じ。当期純利益は群馬銀行のほうが第四北越銀行の約1.4倍。時価総額は群馬銀行が1.7倍など収益性や市場評価は群馬銀行が上。
□合併比率
ここで書くのまったくの勝手な妄想。株価は2025/4/25終値で群馬銀行 1,148円、第四北越FG 3,025円。これをそのまま適用すると1:2.64。この場合には群馬銀行株100株に38株を割り当てる。EPSは群馬銀行 103.42円、第四北越FG 320.33円。この場合には1:3.10で32株。BPSは群馬銀行 1,483.36円、第四北越FG 5,649.99円。比率は1:3.81となり割当株数は26株程度。
ネットで調べる第四北越FGが3分割して、その後群馬銀行と1:1で交換するのが端株が出ないのでモアベターと思われているようだ。
□株主優待
現状の優待制度では群馬銀行は344,400円の投資で1,000円相当の群馬県内特産品。1,148,000円の投資で2,500円のカタログ、3年以上の場合には4,000円相当のカタログギフトがもらえる。優待利回りで言うと0.29%、0.22%、0.35%。
第四北越FGは1年以上継続保有の条件があり302,500円の投資で1,000円相当の新潟県特産品。605,000円の投資で2,500円のカタログ。優待利回りは0.33%、0.41%。
これを見ると100株優待については30万円程度の資金で1,000円の地元特産品というのは両行共通。優待利回りは第四北越FGのほうがややよいように見える。ただし合併時の交付株が33株以下になると群馬銀行株主は優待を受け取れないことになるので買い増しが必要となり、あまり嬉しくない。
優待制度がもし第四北越FGのものが継続する場合、最低でも1年以上継続保有条件については群馬銀行株主に対して特例があって然るべきだろう。
現行優待制度は1ないし2回継続すると期待できるので、合併比率がどうなるか気にしながらではあるが継続保有を続けることになりそうだ。私は一方の銘柄しか保有していないが、両方持っている投資家も多いだろう。また良い株主優待銘柄が減ってしまうことになり残念なことだ。第四北越に継続保有期間の条件が付いていたので購入が後回しになり、購入前に銀行株の株価上昇が始まってしまったので購入出来なかったが、欲しかった銘柄の一つではある。企業再編やTOBなどで上場企業数は減少傾向にあるようで、よい株主優待銘柄も減っていってしまう運命なのかもしれない。
群馬銀行[8334]
株価:1,148円(4/25)
必要株数:300株
必要資金:344,400円
配当予測:45円(3.92%)
PER:11.10倍
PBR:0.77倍
権利確定月:3月末日
株主優待の内容①群馬県内特産品1,000円相当②カタログ* または 寄付より選択* 地元(群馬県・埼玉県・栃木県など)の特産品を掲載しました専用カタログから、お好みの特産品を選択③VJAギフトカード2,000円分300株以上 ①1,000株以上 継続保有 3年未満:②2,500円相当 3年以上:②4,000円相当5,000株以上 継続保有 3年未満:②4,000円相当 3年以上:②6,000円相当10,000株以上 継続保有 3年未満:②6,000円相当 3年以上:②6,000円相当+③※毎年3月31日および9月30日の自社主名簿に同一株主番号で連続して記載され、それぞれの株主名簿に連続して7回以上記載されていること。※優待の対象株式数は、直近の基準日(3月31日)時点の保有株式数で判定。
第四北越フィナンシャルグループ[7327]
株価:3,025円(4/25)
必要株数:100株
必要資金:302,500円
配当予測:126円(4.17%)
PER:9.44倍
PBR:0.54倍
権利確定月:3月末日
株主優待の内容①新潟県内産品②地元新潟県の特産品及び寄付を掲載したカタログ③TSUBASAアライアンス共同企画として他県の特産品を掲載したカタログギフト継続保有1年以上100株以上 ①1,000円相当200株以上 ②または③ 2,500円相当2,000株以上 ②または③ 6,000円相当継続保有1年以上:毎年3月31日および9月30日現在の自社株主名簿に、同一株主番号で連続して3回以上記録されること。※③:TSUBASAアライアンスに参加する地方銀行6行の地元特産品(千葉銀行:千葉県、中国銀行:岡山県、伊予銀行:愛媛県、東邦銀行:福島県、群馬銀行:群馬県、滋賀銀行:滋賀県)を掲載したカタログです。※詳しくは、自社ホームページを参照。