毎年年末が近づくと節税のための売買を行ってきた。
株主優待侍「株知識:損出し/益出し」
売却益が出ているときに、同じ口座内の含み損のある株を売却して、損益を相殺して源泉徴収されている所得税を返してもらう。実際には税金を減らしているわけではなく、税金の支払いを将来に先送りしているだけなのだが、それでもメリットはある。税金の支払いを先送りすることができれば、現在の買い付け余力を増やす効果があるので、新たに購入した株が値上がりすれば資産を膨らませることが出来るので将来利益確定したときでも手元に残る資金は増えるはずだ。
だが、近年証券税制の強化が巷間噂されるようになってきた。以前からその話は何度も言われてきたけれども高市政権成立後はかなり具体的な言及がされているようだ。現時点で実現しているものは、合計所得30億円以上(金融所得のみで10億円以上)の超富裕層向けの追加課税だけのようだが他にも以下のようなものが検討されているらしい。
・金融所得(株式譲渡益・配当など)の税率を30%へ引き上げる。
・総合課税への一体化(他の所得と合算して高い税率適用)。
現在の金融所得の税率は20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)であり、前者が導入されれば現状の1.5倍もの税金を支払わなければならない。自分が投資を始めたころは税率10%だったので、その頃から考えると3倍である。
X年に上記変更が行われたとして、X-1年中に100万円の譲渡益が発生していれば税金は20万円(簡単のために20%とする)。だが、X年になってから売却して利益を確定すれば30万円を支払わなければならない。10万円も利益が減ってしまう。つまり、利益を損失で相殺して、その実現を将来に先送りすると支払うべき税金が増加してしまう。生きている間ずっと利益の先送りをし続ければ、そのような税金の増加はなくなるが、相続人がそのツケを支払わなければならないのは同じこと。もし税率アップが現実にあり得るのであれば損出しによる実現益の相殺は賢明な方法とは言えなくなってしまう可能性がある。
2025年は年序盤に多くの保有株にTOBなどで強制的に利益確定させられて約120万円程度の実現益が出てしまった。その後、損出しなどで年末にはかなり実現益は減っていたが、それでも85万円くらいの利益が残った。支払い税額は17万円強。長年の損益通算により含み損のある銘柄がほとんどない状態になり損だしもできない状況になった。現時点で証券口座内の保有株含み益は全評価額の約6割に達していて、現時点で全株を売却したとすると約12%目減りすることになる。が、もし税率が30%になると、目減り分は18%になってしまう。もちろん全株式売却という事態にはならないが、個別の株式で言えばいずれ売却することはないとは言えない。
いくつか例を見ていく。
【税率20%の時】
元本50万円を運用して評価額100万円になった時、含み益は50万円なので、この時点で現金化すると10万円の税金を支払って手元には90万円残る。
これを再投資したとして(そんな都合よく丁度では買えないけど思考実験として)
【Z年後1.2倍になった場合】
元本90万円の1.2倍で108万円(含み益18万円)を現金化すると102.6万円
一度売却せず100万円(含み益50万円)の1.2倍で120万円(含み益70万円)を現金化すると99万円
なので税率アップ前に売却した方が手元に残る現金が多くなる。
【Z年後1.5倍になった場合】
元本90万円の1.5倍で135万円(含み益45万円)を現金化すると121.5万円
一度売却せず100万円(含み益50万円)の1.5倍で150万円(含み益100万円)を現金化すると120万円
この場合でも税率アップ前に売却した方が手元に残る現金が多くなる。
【Z年後2.0倍になった場合】
元本90万円の2.0倍で180万円(含み益90万円)を現金化すると153万円
一度売却せず100万円(含み益50万円)の2.0倍で200万円(含み益150万円)を現金化すると155万円
なので途中で現金化せずに継続保有したほうが現金が多くなる。
ということで株価が2倍になるまでに売るのであれば、税率アップ前に売却した方が手元に残る現金は多い。もし2倍以上になってから売却するのであれば、売らずに継続保有したほうがよい。
途中で受け取れる配当金や優待まで考慮したら売却再投資の場合には購入できる株数が減るのだから、もう少し売却せず継続保有のほうが有利になると思うが、条件がややこしいので今回は配当金などは考慮しなかった。
いずれにせよ、将来の税率アップを考慮するならば年末に損益通算で納税を先送りするのは良い結果にならない可能性がある。ということを考慮して、今年からは年末に損出しして納税額を圧縮するのは止めようと思う。もちろん、損失の方が多ければ益出しして平均取得額を上げて将来の納税額を減らす対応は続ける予定。
今回のシミュレーションは自分の口座内含み益の割合に近くて分かりやすいもので計算したが、含み益が評価額の1割とか2割だとシミュレーション結果は大きく異なるだろう。いちいち場合分して計算するのが大変なのでそこまではしない。また、現時点で税率変更について具体的なスケジュールが決まっている訳でもないので、積極的に益出しする段階でもない。ただ意図的な損出しを行って納税時期を先送りするのは止めようと言うだけの話。
以上、まとまりがなくぐだぐだ書いたけど、年末に考えたことは言語化できたかなと思う。










株主優待侍
が
しました